東アジア文化都市_東アジア文化都市2016奈良

東アジア文化都市2016奈良市

 
 

古都奈良から多様性のアジアへ
「東アジア文化都市2016奈良市」では、主に「舞台芸術」「美術」「食」を切口に、アジア諸地域の文化的共通性を確認し、発信していきます。グローバル化による世界の均質化・同質化の波が押し寄せる現在、アジアの諸地域は自らのアイデンティティと文化をあらためて見つめ直すなかで、同じように格闘する様々な地域とつながり、交流することを通して自らの文化を育み、あらたな展望を切り開こうとしています。日本各地のみならず、アジア諸地域で活発に開催されている芸術祭や芸術文化による地域づくりはそうした企図をもって取り組まれています。
本事業では、古都奈良の開かれた精神性を礎に、各都市で行われている様々な芸術祭・地域づくりの取り組みをつなぎながら、アジアの共通性と多様性を明らかにしていきます。
異なる文化間の絶えざる交流の中に創造力の源泉があります。古都奈良はアジア各国の人々とこの事業を通じて広く深くつながり、それぞれの文化を尊重しながら、伝統と創造を響かせ、アジアの平和構築をめざします。

北川 フラム

北川 フラム
「東アジア文化都市2016奈良市」アドバイザー
1946年新潟県生まれ。アートディレクター。東京芸術大学美術学部卒業。「アントニオ・ガウディ展」、「ファーレ立川アートプロジェクト」等をプロデュース。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(2000年~)、「瀬戸内国際芸術祭」(2010年~)の総合ディレクター。

新たな価値ある舞台芸術・美術・食・学術による文化交流事業に

日中韓は一衣帯水とも言うべき海をとおして交流してきました。平城の奈良は、多様多層な人々が交錯し、交流する日本史上もっとも開かれた都市であったかも知れません。
そして今、2016年、環境的、政治的に厳しいなか、東アジア文化都市が『奈良、寧波、済州』で開かれることの意味は大きいと思います。奈良の骨格をつくっているのは社寺です。地霊が降り漂う土地に、海外の思想・技術の流入と、身体化させていく壮大な試行が行われました。
過去を踏まえ、現代の課題を見据え、未来を展望する東アジア文化都市事業は、今に続く都市の骨格と生活を、世界文化遺産である社寺等を舞台に、奈良の魅力を発信し、芸術によって明らかにしていこうというものです。
新しい文物・人物を積極的に取り入れ、自らの文化として変換させてきたことを体感できる場所として奈良の社寺があります。その雄大さや解放感は他の都市の社寺で感じることはできません。これらの社寺を舞台に、文化の伝播ルートの国々を代表する第一線のアーティストが作品を制作します。それは、私たちが生きる現代の世界を、古の開かれた国際性の中に重ねて観る、1300年という時間と、大陸をまたいだ空間を横断する試みです。
東アジアの海は緊張状態が続いています。しかし、古来、海は交流の海でありました。2016年に選ばれた3都市はいずれもが、海を通してそのアイデンティティと文化を築いてきた都市です。人や文物と交流することを求めて危険を顧みずに海をわたった古の人々に負うことない、新たな価値ある舞台芸術・美術・食・学術による文化交流事業となることを期待しています。