イベント情報_東アジア文化都市2016奈良

八社寺アートプロジェクト

期間: 2016年09月03日(土) ~ 2016年10月23日(日)

このイベントは終了いたしました

 
   

仏教の伝来は学問・哲学・社会システムの伝来でもあり、日本の文化にも多大なる影響を与えました。
日本史上もっとも開かれた国際的な時代の象徴でもある市内の社寺に、日本に文化の伝播をもたらした国々から第一線で活躍するアーティストを招へいし、アートインスタレーションを展開します。

東大寺 蔡國強(中国)

  • アーティスト/蔡國強(中国)
    国の総力を挙げた事業により造られた盧舎那仏坐像(大仏・国宝)や世界最大級の木造建築である金堂(大仏殿・国宝)などで知られる東大寺。鎌倉時代に中国の技術により復興された南大門と大仏殿の間にある鏡池を東アジアの海と見立て、作品を展示しています。
  • 東大寺
    “船”は、海を介した文化交流の象徴です。中国から船大工10人が来日し、東アジアの海を航海した伝統の木造船を公開制作しました。完成した船は、「東アジア文化都市2016奈良市」のシンボルアートとして展示中です。

春日大社 紫舟+チームラボ(日本)

  • アーティスト/紫舟+チームラボ(日本)
    20年に一度の社殿の修築大事業、第六十次式年造替が執り行われている春日大社。3月の春日祭の折に御本殿での勅使参向之儀に先立つ「着到之儀」が行われる建物「着到殿」(重要文化財)に作品を展示します。
  • プロジェクションで投影された文字を触ると、その文字が意味する図柄に姿を変え、生き物たちが動き始めます。奈良にちなんだインタラクティブアート作品。

興福寺 サハンド・ヘサミヤン(イラン)

  • アーティスト/サハンド・ヘサミヤン(イラン)
    669年に建立された山階寺を起源とする興福寺。2016年夏~秋に、奈良のまちのシンボルでもある五重塔と三重塔の2つの国宝が初めて同時開扉されます。その三重塔周辺に作品を展示します。
  • ヘサミアンはイスラム美術の装飾的な要素と西洋的な近代の中での抽象性と洗練の要素の融合を試みてきた。2015年のベネチア・ビエンナーレにおいても花の蕾を思わせるオブジェを出品。興福寺においてはシルクロードを介してインド、エジプト、イラン(ペルシャ)など様々な地域で根付きながら、中国から日本へと仏教とともに伝播した蓮の花をモチーフとした彫刻を制作。

元興寺 キムスージャ(韓国)

  • アーティスト/キムスージャ(韓国)
    6世紀創建の日本最古の寺として知られる飛鳥寺が平城遷都にともなって移された元興寺。本堂(極楽堂)、禅室(国宝)には、飛鳥時代の瓦が今も使われていることで有名です。作品は、小子坊(県指定文化財)の座敷と石舞台の2か所に展示します。
  • 東アジアを代表する作家の一人、キムスージャは宇宙のはじまりをイメージしながら作品を着想。アジア各地に伝播する陰と陽の思想を基軸として奈良時代から続く長い時間軸の中で、元興寺そのものが持つ時間にこだわる。現在残されている元興寺からかつての大伽藍はなかなか想像できないかもしれない。ここにはない風景を描き出す。ここで作家は現在見えるものから歴史の中に埋もれて見えなくなったしまったものを連想させる作品を作り出します。

大安寺 川俣正(日本)

  • アーティスト/川俣正
    聖徳太子が創建した熊凝道場を起源とする、官寺筆頭の「大寺」であった大官大寺が平城遷都にともなって移された大安寺。盛時には南大寺とも呼ばれ、887名の学侶を擁する総合大学として大規模な伽藍を有していました。水田の中に残る塔跡周辺に作品を展示します。
  • 遺跡調査により東西に巨大な七重塔があったと推測される塔跡隣地で作品を発表。文化財の修復等で伝え受け継がれてきた足場丸太の技術を活用して、かつての塔を彷彿とさせるかのような現代の塔を制作します。

薬師寺 シルパ・グプタ(インド)

  • アーティスト/シルパ・グプタ(インド)
    天武天皇が皇后(のちの持統天皇)の病気平癒を祈願して建立された薬師寺。710年の平城京遷都にともない藤原京から現在の地に移されました。白鳳様式で建てられた奈良時代の東塔(国宝・解体修理中)のほか鎌倉時代再建の東院堂(国宝)があります。
  • 国際的に注目されるインドの現代アートシーンで最も活躍する作家。インドから千年を経て日本に伝わり、奈良で花開いた仏教の歴史、伝播、変遷の中からアートを検討。人体と雲や家などの頭部を輪郭だけで表現した、空間に溶け込む彫刻作品。

唐招提寺 ダイアナ・アルハディド(シリア)

  • アーティスト/ダイアナ・アルハディド(シリア)
    戒律を学ぶ寺院として唐僧の鑑真が創建した唐招提寺。金堂(国宝)をはじめとする奈良時代の建物が残る伽藍は、天平の息吹を伝えます。作品は、境内にある鑑真がつくったとされる竜神を祀る池に展示します。
  • 鑑真の旅に象徴されるように、多くの困難を乗り越えながら人々は海や山々を越え文化を携え古来、旅をしてきた。そこには既に歴史で語られることのなくなった多くの人々の多くの物語があるであろう。シリア出身で幼い頃にアメリカに移住したアルハディドは物語を紡ぎだすような立体のオブジェを制作してきた。今回の奈良のために作られた作品は西洋の中世のタペストリーをモチーフとしています。こうしたモチーフの伝播や意味の変遷に思いをはせると、この作品からも文化の重層性が見えてきます。

西大寺 アイシャ・エルクメン(トルコ)

  • アーティスト/アイシャ・エルクメン(トルコ)
    称徳天皇の発願により創建された西大寺。奈良時代には東大寺とならぶ壮大な伽藍を構えていましたが、度重なる火災によりその多くが失われ現在は江戸中期以降の伽藍が残っています。奈良時代に西塔が建っていた地にある茶室六窓庵と池の周辺に作品を展示します。
  • 西大寺の池をシルクロード東端の奈良に見立て、隣に西洋的なプールを制作。遥かシルクロードの西の縁に位置する東ローマ帝国の首都、コンスタンチノープル(現イスタンブール)を拠点として活躍する現代のトルコを代表するアーティスト、アイシャ・エルクメンはプールと日本庭園にあるような池をパイプで繋ぎ、池の水を浄化、プールから循環させる装置をアートとして見せます。流れる水は東西の文化交流を連想させると同時に、作品からは和洋の不思議な融合や伝統と現代の衝突が見えてきます。

蔡國強,社寺アートインスタレーション