イベント情報_東アジア文化都市2016奈良

日本を代表する劇作家 平田オリザさんの演劇入門ワークショップ


   
 


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■日時 11月27日(日)
■時間:①9:30~12:30
    ②13:30~16:30
■会場:北部会館市民文化ホール(右京一丁目)

 
舞台芸術部門ディレクター平田オリザさんによる演劇入門のワークショップを開催。13歳~60代までの幅広い市民の方が参加されました。
 
平田さんは「現代口語演劇理論」を提唱し90年代以降の演劇に大きな影響を与え、今では海外の各国でも多くの共同制作を手掛けている、日本を代表する演出家です。
 
ワークショップはまずウォーミングアップから開始。声出しや準備運動、カードを使ったゲームを行いました。これらのウォーミングアップは、プロの俳優も、また教育現場や厚生施設、プロスポーツ選手など別分野でも広く用いられる手法だと平田さんから解説され、場の空気がほぐれていく変化を感じながら、参加者の皆さんはその言葉に頷いていました。
 
続いて、道具があるように想像しながらのキャッチボールと大縄跳びを行いました。キャッチボールでは実際の動きよりも過不足が多いことを実感。対して大縄跳びでは、まさにそこに縄があるかと思うようなリアルな再現がされました。この虚構の空間に具体的な何かを描かせることこそが「演劇を支えている真理」であり、そしてそこに至るまでの「イメージの共有」が何よりも大切な行程であり、それこそが演劇者の最初の仕事だと平田さんから伝えられました。
 
後半は、平田さんが世界中のワークショップで20年ほど使ってきたという台本を用いた寸劇の実践。少人数グループを組み、まず1組が自分たちなりに演じてみせます。続いて平田さんから、間合いなどの細かな指示が出され、それに従うことでより自然な雰囲気がかもし出されるようになり、平田さんは「これが演出家の仕事です。」と示してみせます。
 
また寸劇中には、男性から初対面の女性に話しかけるという、さりげない1つのフレーズを例にとって、その言葉が、例えばイギリスの上流階級であったり、開拓の歴史を持つアメリカやオーストラリア、またはアイルランドやフィリピン、はたまた日本の高校生など、様々な文化を背景に持つ各国ではどんな印象になるだろうかと意見を出し合い、身近な言葉だからこそ気付きにくい落とし穴の存在やストーリー展開の可能性などを見つけましたこのお互いの価値観が違うことは「コンテクスト」のズレと呼ばれ、現代社会においても、このコンテクストのすり合わせがコミュニケーションの基本原則となるもので(も)ある、という話はさまざまな分野にあてはまることであり、演劇の持つ力について新しい目線で知る時間となりました。
 

ワークショップを終えて、男性の参加者のお一人から、「他者とのコミュニケーションを円滑にするための、場を作り上げる力の必要性を学びました。市民教育を通して、これらの力を身に着ける場所があればいいと感じました。」とご感想をいただきました。